2026年8月31日に確認した公式Physical Cards FAQでは、ether.fi Cashの物理カード配送対象地域にJapanが含まれています。公式の利用不可地域リストにも日本は掲載されていません。今回の再確認で、6月時点の記述から3点が変わりました。物理カードの費用はCore会員で50ドル(返金される預り金ではなく、カード代と送料を含む手数料)、キャッシュバックは一律3%ではなく月間支出に応じて3%→1%→0.5%と下がる段階制、Borrow Modeの利息は固定4%ではなく変動APYです。「日本で誰でも確実に発行できる」とは断定せず、アプリのCashタブでKYC、住所確認、配送可否、カード種別、Direct Pay/Borrow Mode、キャッシュバック対象表示を確認してから申し込むのが安全です。
2026年9月11日の追記: ether.fi自身のLiquid vault関連のコントラクトで脆弱性が確認されましたが、ether.fi Cashカードの残高への影響は確認されていません。2026年8月28日のRain事件とも別のインシデントです。詳細は「Direct PayとBorrow Modeを混同しない」の章にまとめています。
画面で見る確認ポイント
ether.fi Cashは、単なるチャージ式カードではありません。公式画面では、Cashタブ、Vault、カード注文、支払い方式、手数料行、キャッシュバック履歴を分けて見ます。
日本対応はどう読む?
公式の利用不可地域ページでは、Cashとfiat servicesが使えない国の一覧が示されています。2026年8月31日に確認した時点で、掲載されているのはベラルーシ、中国、キューバ、エストニア、フィンランド、ハンガリー、インド、イラク、イスラエル、モロッコ、ネパール、オランダ、北朝鮮、パキスタン、ロシア、シリア、トルコ、ウクライナ、ベネズエラ、ベトナムで、日本は入っていません。さらにPhysical Cards FAQ(2026年7月10日更新)の配送対象地域にもJapanが明記されています。
この点は日本の読者にとって実務的に大きな意味があります。Bybit Cardは2026年7月に日本居住者向けの是正措置を完了し対象外となり、MetaMask CardやWirexも公式の対応国に日本がありません。Gnosis Payは日本を「Coming Soon」に置いたままです。そのなかでether.fi Cashは、公式ドキュメント上で日本が対象と読める数少ないカードです。
もうひとつ、2026年6月時点の日本語情報から変わった点があります。ether.fiは2026年4月にCash関連のプロダクトをScrollからOP Mainnet(Optimism)へ移行しました。公式ブログ「ether.fi is now on OP Mainnet」(2026年4月)で告知され、Optimism公式のケーススタディは移行日を4月15日、対象を約7万枚の稼働カード・約30万アカウント・2.2億ドル規模のTVLと記載しています。「ether.fi CashはScroll L2上で動く」という説明はいまも国内外の記事に多く残っていますが、現在のチェーンはOP Mainnetです。ブロックエクスプローラで自分の取引を追う場合は参照先を間違えないようにしてください。
ここで大事なのは、国名リストだけで申し込まないことです。本人確認、住所証明、カード種別、アプリ内の配送ボタン表示、規制変更で実際の可否は変わります。自分の画面でPhysical Cardsを選べない場合は、その時点では注文に進めません。
物理カードの注文前に見る数字
2026年8月の更新: 以前この記事に書いていた「Core会員は40ドルのデポジットが必要」という説明は、現在の公式ヘルプにはありません。2026年7月10日更新のPhysical Cards FAQは「A $50 fee applies, which covers the card and shipping costs」と記載しており、返金前提の預り金ではなく、カード代と送料を含む50ドルの手数料です。返金される想定で申し込まないでください。
| 項目 | 公式情報で確認した内容(2026年8月31日確認) | 読者の確認行動 |
|---|---|---|
| 注文画面 | ether.fiアプリまたはWebのCashタブからAdd Card、Physical Cardsを選ぶ。注文前にKYC完了が必要 | KYC完了後にPhysical Cardsが表示されるか見る |
| Core会員の物理カード | 50ドル(カード代+送料込みの手数料)。ただし公式の会員比較ページは同じCoreを「$60, including shipping」と表示しており公式内で金額が一致していない | 注文確定画面に出る実際の請求額を必ず見てから確定する |
| 上位会員の物理カード | 公式ヘルプの手数料表ではLuxe・Pinnacleが100ドル、VIPが0ドル。一方で公式比較ページはLuxe以上を「1 free」(会員特典で1枚無料)と記載しており、ここも表記が分かれる | 会員ティアを上げる前に、無料枠の有無をアプリ内表示で確認する |
| バーチャルカード | Core・Luxe・Pinnacleは1枚10ドル、VIPは無料 | 物理カードを待つ間、バーチャルで少額テストするか判断する |
| 会員ティアの条件 | Coreは無料。Luxeは年199ドル、または1万5,000ドルのLiquid入金、または30,000 ETHFIのステーク。Pinnacleは年999ドル、または10万ドル入金、または150,000 ETHFI。VIPは50万ドル入金または500,000 ETHFIで招待制 | 年会費と入金・ステークは択一。円換算での負担額を先に計算する |
| 配送 | 通常は15営業日以上、Pinnacleは1〜3営業日と説明。注文時に登録した配送先は後から変更できないと明記 | 日本住所の英字表記を提出前に確定させる |
| 利用 | 実店舗、オンライン、ATM、Apple Pay/Google Payに関する説明あり | 初回は少額決済で明細、FX、報酬、返金時の差額を見る |
日本円決済で効く手数料
公式の個人向け手数料ページ(2026年7月28日更新)では、Core、Luxe、Pinnacleの利用上限、ATM、FXが説明されています。日本円決済はUSDでもEURでもないため、FXの基準レートに加えて会員ティアごとの上乗せがかかります。6月時点で書いていた「一律1% FX手数料」「ATMは250ドル・2%」は現在の公式表記と異なるため、以下に置き換えます。
ATM手数料について補足します。「一律2%」という数字は日本語・英語の解説記事に広く出回っていますが、これらの記事はATM上限を250ドルとしたままの古い版が多く、2026年8月31日時点の公式手数料ページには料率の記載がありません。公式で確認できない以上、当サイトでは断定しません。初回は少額を引き出して、明細に出る合計額で実質コストを測るのが確実です。
キャッシュバックは段階制として確認する
ether.fi Cashを「3%還元のカード」と紹介する記事は多いのですが、これは正確ではありません。公式ヘルプ(2026年7月9日更新)では、還元率はその月の累計利用額によって3%→1%→0.5%と下がる段階制と明示されています。3%が適用されるのは月の最初の一定額までで、それを超えた分には3%は付きません。まずこの構造を押さえてください。
| 会員ティア | 3%が適用される月間支出 | 次の段階(1%) | それ以降(0.5%) |
|---|---|---|---|
| Core(無料) | 0〜2,000 USD | 2,001〜3,000 USD | 3,000 USD超 |
| Luxe | 0〜10,000 USD | 10,001〜20,000 USD | 20,000 USD超 |
| Pinnacle | 0〜50,000 USD | 50,001〜80,000 USD | 80,000 USD超 |
無料のCore会員で月20万円ほど(おおむね1,300ドル前後)を使う一般的な使い方なら、全額が3%の枠に収まります。一方で月50万円規模を使うと、3%が効くのは最初の2,000ドル分までで、残りは1%や0.5%になります。「毎月いくら使うか」で実質還元率がまったく変わるカードだと理解してください。なお公式の会員比較ページも、Coreを「3% cashback, up to $2K」と表記しています。
| 確認項目 | 公式ヘルプで見る内容(2026年8月31日確認) | 日本ユーザーの見方 |
|---|---|---|
| 付与資産 | キャッシュバックはUSDで計算され、資産一覧にはUSDCとして自動付与される。6月時点に書いていたwETH付与という説明は、現在の公式ヘルプには記載がない | 付与がステーブルコインなので、価格変動の記録は不要になった。付与日と金額だけ月別に残す |
| 段階のリセット | 暦月ごとの累計支出で判定し、段階は毎月1日にリセットされる | 月末に大きな買い物を寄せると1%や0.5%になる。月をまたぐ買い方も選択肢 |
| EUR決済 | USDとEURは同じ月間カウンターを共有。EUR取引のレートは3%→1%→0.1%で、最下段が0.5%ではなく0.1% | ユーロ圏で大きく使う月は最下段が特に低い。日本円決済とは分けて記録する |
| 対象外 | ATM出金、キャッシング、個人間送金、両替、税金の支払い、ギフトカード、マネーオーダー、その他現金同等物。加えて投資プラットフォーム、証券会社、不動産業者、金融機関、ギャンブルなどの加盟店カテゴリも対象外 | クレカ納税やギフトカード購入で還元を狙う使い方はできない |
Direct PayとBorrow Modeを混同しない
Direct Payは、Vault内の対象資産をそのまま支払いに使う方式です。公式ヘルプでは、USDCが先に使われ、USDCがない場合にLiquidUSDが使われると説明されています。その他の資産は、確認日時点ではDirect Pay対象外です。
Borrow Modeは、Vault内の資産を担保にして支払う方式です。借入残高には借りた直後から利息が発生し、猶予期間・締め日・最低返済額はないと説明されています。ここも6月時点から表記が変わっており、利率は固定の4% APYではなく、資産ごとにAave v4のレンディング市場が決める変動APYと記載されています。市場の状況で上下するため、借入前にアプリ内の表示レートを見てください。また、購入が後から返金された場合、返金額はVaultの残高に戻るだけで、借入残高は自動では減りません。返済は自分で行う必要があります。日常決済で使うなら、まずDirect Payで少額テストする方が管理しやすいです。
もう一点、構造として知っておきたいことがあります。ether.fi Cashのカード発行基盤はRainです(Rain公式のケーススタディでもether.fiとの提携が説明されています)。2026年8月28日、Rainの旧版Solanaコントラクトの脆弱性を突かれ、TriaとAviciのカード残高が不正に引き出される事案が起きました。Rain公式は「Other programs were not impacted(他のプログラムは影響を受けていない)」と表明したと報じられていますが、当サイトは2026年8月31日時点でether.fi自身の公式声明を確認できていません。したがって「ether.fi Cashは影響なし」と当サイトが断定することはできません。報じられている技術的な違いとしては、ether.fi Cashはユーザー自身が管理するvault型のアーキテクチャで、Rainが直接管理するcollateral account(担保口座)とは仕組みが異なるとされています。同じ発行体・同じ「non-custodial」という説明でも、今回はこの違いで結果が分かれた形です。カードにチャージした残高は自分の鍵だけで守られる場所ではなく発行基盤側のコントラクトが預かる、という構造は共通です。カード残高に置く金額を数週間分の支出に絞る運用は、どのRain基盤カードでも有効です。詳細はRain脆弱性と補償の整理にまとめています。
これとは別に、2026年9月11日、ether.fi自身のLiquid vault関連のコントラクトでも脆弱性が確認されました。この事案でether.fi Cashカードの残高が影響を受けることは確認されていません。影響を受けたのは旧Veda製のLiquid vault出金決済コントラクトで、approval(承認)の悪用により15.4536 ETH(約38,000ドル相当)が11個のウォレットから流出しました。ether.fi CEOは全額補償を表明しています。eETH/weETHのmint、LiquidityPool、現行のLiquid vaultの会計、そしてCashカードの残高への影響は確認されていません。旧コントラクト(アドレス: 0xd45884b592e316eb816199615a95c182f75dea07)にapprovalを与えたことがある利用者は、そのapprovalを取り消す(revoke)ことをおすすめします。これは2026年8月28日のRain事件(カード発行基盤側のSolanaコントラクトの脆弱性)とは原因も影響範囲も異なる、別のインシデントです。
申し込む前の確認順
対象国、カード注文、支払い方式、手数料、記録保存を1回の流れで確認します。
KYC、Add Card、Physical Cards、日本住所、配送先の入力可否を確認します。
Direct PayかBorrow Modeかを分け、Borrow Modeなら利息と返金時の扱いを保存します。
日本円決済、FX、キャッシュバック、返金、ATMの表示を小さく試します。
保存すべき記録
- CashタブのKYC状態、Virtual/Physical、カード注文可否、配送先画面(配送先は注文後に変更できないため提出前の控えを残す)。
- 物理カード注文時の実際の請求額(公式ヘルプは50ドル、公式比較ページは60ドルで一致していないため、確定画面のスクリーンショットを残す)。
- Direct PayまたはBorrow Mode、利用資産、借入残高、借入時に表示された変動APYの数値と日時。
- 日本円決済の金額、Visa換算、FX基準レートと会員ティア別の上乗せ、ATM利用時の合計差額。
- その月の累計利用額と適用された還元率の段階、USDC付与額、対象外取引、返金・返済、Vault残高の月別記録。
よくある質問
ether.fi Cashは日本へ物理カードを配送できますか?
2026年8月31日に確認した公式Physical Cards FAQ(2026年7月10日更新)の配送対象地域リストにはJapanが含まれています。公式の利用不可地域リストにも日本は入っていません。ただし、KYC、住所確認、アプリ内の配送可否、カード種別、規制変更で条件が変わる可能性があるため、注文直前のCashタブで確認してください。
Core会員の物理カードはいくらかかりますか?
公式ヘルプ(2026年7月10日更新)は「A $50 fee applies, which covers the card and shipping costs」と記載しており、カード代と送料を含む50ドルの手数料です。以前この記事に書いていた「40ドルのデポジット(返金される預り金)」という説明は現在の公式ヘルプにはなく、返金前提の預り金ではありません。なお公式の会員比較ページは同じCoreの物理カードを60ドルと表示しており、公式内で金額が一致していません。注文画面の実際の請求額を確認してください。
キャッシュバックは3%ですか?
一律3%ではなく、その月の利用額に応じて下がる段階制です。公式ヘルプ(2026年7月9日更新)のCore会員の表では、月間0〜2,000ドルが3%、2,001〜3,000ドルが1%、3,000ドル超が0.5%です。Luxeは0〜10,000ドルが3%、Pinnacleは0〜50,000ドルが3%と、上位会員ほど3%が続く枠が広くなります。段階は毎月リセットされ、キャッシュバックはUSDで付与されUSDCとして表示されます。ATM出金、税金の支払い、ギフトカードなどは対象外です。
Borrow Modeの利息は何%ですか?
2026年8月31日時点の公式ヘルプでは固定の利率ではなく、資産ごとにAave v4のレンディング市場が決める変動APYと説明されています。以前記載していた4% APYという固定値は現在の公式説明と一致しないため、借入前にアプリ内の表示レートを確認してください。利息は借入直後から発生し、猶予期間はありません。返金を受けても借入残高は自動では減らず、返済は自分で行う必要があります。
ether.fi CashはScrollで動いているのですか?
いいえ。ether.fiは2026年4月にCashをScrollからOP Mainnet(Optimism)へ移行しました。公式ブログ「ether.fi is now on OP Mainnet」(2026年4月)で告知され、Optimism公式のケーススタディは移行日を4月15日としています。「Scroll L2上で動く」と書いた解説記事はいまも残っていますが、現在のチェーンはOP Mainnetです。
2026年8月のRain脆弱性の影響は受けましたか?
ether.fi Cashのカード発行基盤はRainです。2026年8月28日にRainの旧版Solanaコントラクトの脆弱性でTriaとAviciのカード残高が不正出金された件について、Rain公式は「Other programs were not impacted(他のプログラムは影響を受けていない)」と表明したと報じられています。ただし当サイトは2026年8月31日時点でether.fi自身の公式声明を確認できていないため、「影響なし」と断定はしません。報じられている技術的な違いとしては、ether.fi Cashはユーザー自身が管理するvault型のアーキテクチャで、Rainが直接管理するcollateral accountとは仕組みが異なるとされています。アプリ内のお知らせと登録メールを確認し、カード残高に置く金額は数週間分の支出に絞る運用をおすすめします。
2026年9月のether.fi Liquid vault脆弱性でCashカード残高は影響を受けましたか?
いいえ、確認されていません。2026年9月11日、ether.fi自身の旧Veda製Liquid vault出金決済コントラクトでapprovalの悪用が発生し、15.4536 ETH(約38,000ドル相当)が11ウォレットから流出しました。ether.fi CEOは全額補償を表明しています。eETH/weETHのmint、LiquidityPool、現行のLiquid vaultの会計、およびCashカードの残高への影響は確認されていません。旧コントラクト(0xd45884b592e316eb816199615a95c182f75dea07)にapprovalを与えたことがある利用者は、そのapprovalの取り消し(revoke)をおすすめします。これは2026年8月28日のRain事件とは原因・影響範囲ともに異なる別のインシデントです。
日本円決済では何を記録すべきですか?
決済日時、円建て金額、Visa換算、FX基準レートと会員ティア別の上乗せ、Direct PayまたはBorrow Mode、利用資産、返金時の差額、ATM利用、キャッシュバックのUSDC付与履歴を保存します。税金や問い合わせで後から説明しやすくなります。
公式ソース
ether.fi Cashは条件変更が起きやすいカードです。2026年6月から8月のあいだにも、物理カードの費用の記載、ATM上限、キャッシュバックの付与資産、Borrow Modeの利率表記が変わりました。申し込み、入金、物理カード注文、ATM利用の前に、下の公式ページとアプリ表示を照合してください。以下は2026年8月31日に確認した公式ページです。